みんな安心のオアシス
この前は『くそったれっ』と言ってやったんだって。
そうしたら、相手は黙った。
よく、言ったわねえとほめたんだけど、でも、それを言う子もアトピーなんだよね(笑)」いまのところ、本人はせっぱつまっていないし、陰湿ないじめにもなっていない。
言われたら言い返すし、親にも報告するから、Kさんは、まあ、いっかと思っている。
「娘が言うの。
『アトピーのことをはやされて、私がどんな顔するのか見たいと思っているんじゃないか』と。
冷静に分析しているんだわと、感心しました」Kさんの他の子どもにはアトピーがない。
だから、「どうして私だけアトピーなの」と聞かれたことがあった。
「三人に一人はアトピーになる時代なんだから、心配せんでもあんたのまわりにもアトピーの子はいるのよ、と言ったんだけど、娘は『だって、他の子はこんなにひどくないもん』って」。
以前は、よその子がアトピーと聞くと、Kさんは「まあ、気の毒に。
うちはアトピーじゃなくてよかった」と他人事だった。
「やっぱり、親の食生活が悪かったんじゃないかと思っていたわ。
でも、自分の子どもがアトピーになると、ああ、誰にもあることなんだなって。
他人の子どものときは、親の責任。
自分の子どものときは、社会の責任よ(笑)」のんびりかまえているKさんだが、本当にアトピーがひどくなったら、環境のいいところに引っ越さないといけないかなと、考えるときもある。
「まあ、ひどくなったら、それはそのときのこと。
ひどくならないようにやるしかない。
何かあったら、すぐに医者に相談するの。
医者はうちの生活パターンをよく理解してくれて、無理なことは言わない。
病院にはたいてい沈んだ気持ちで行くんだけど、医者が『ま、この薬でやってみるか』と軽く言うもんだから、気持ちがラクーになって帰れるのがいい」夜勤のある仕事なので、ついつい家事がおろそかになってしまう。
「自分の体がしんどいときは、ふとんも干さない。
ご飯を作れないときは、店屋ものでがまんする。
これだけはどうしてもダメ、という以外は、つらい体を押してまでようやらん。
といっても、娘のアトピーがひどくなると、近所の人の目が気になって『仕事ばかりしないで、ちゃんと治してあげたら』って思われてるんじゃないかと、気弱になることもありますね」しかし、そんなことでくじけない。
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